バトンタッチ

食べ物を噛み切る歯(前歯)は、

工作で使うノミの様な形で、

上下それぞれ4本ずつあります。

 

子どもの歯(乳歯)と、おとなの歯(永久歯)では、

大きさが違います。

 

 

幅については、子どもの歯4本分の和よりも、

4本の大人の歯の小計の方が、

ずっと大きくなります。

 

 

大人4人用のソファーに、

子ども4人は楽々座れますが、

子ども4人用のシートには、

大人4人は腰掛けられません。

 

後から来た人がはみ出てしまうでしょう。

それとも、重なってしまいますか。

 

 

ですから、

永久歯の前歯が生えてくる時には、

子どもの歯並び(乳歯列)がきれいに、

ぴったりと並んでいたのでは、

スペースが足りなくなります。

 

が大きくなって、

乳歯と乳歯との間に隙間が空いてくるのは、

生え変わってくる永久歯の場所を用意することになります。

 

この時期に、隙間があることは必要なのです。

「隙っ歯」であっても、問題ありません

 

 

乳歯は、

次の永久歯(後続永久歯)が顎の中で近付いてくると、

根の方から溶け出して、

ついには抜けてしまいます。

 

これが、うまくいって、

スペースが十分にあれば、

後続永久歯はちゃんと生え変わり、

本来の位置に収まることが出来ます。

 

自然は偉大です。

 

 

しかしながら、

後続永久歯の進路が外れていたら、

向きが悪かったり、場所がズレたりしていた場合には、

前に生えている乳歯の吸収はうまくいきません。

 

バトンタッチの失敗です。

 

 

すると、乳歯が残ったまま

後続永久歯が内側に生えてくることもあります。

 

スペースが十分にあれば、

乳歯を抜くだけで、

(舌などに押されて)自然に並んで来ます。

 

 

最初に交換する、下顎の前歯に見られます。

 

 

続いて、上顎の真ん中、

 

大きい歯(中切歯)が出てきます。